糖尿病
糖尿病とは
糖尿病とは、私たちが食事から吸収する栄養素のうちブドウ糖が血液中に多くなる病気です。
血糖を下げるホルモンは膵臓で作られるインスリンしかありません。
血液中のブドウ糖が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されます。
分泌されたインスリンは、肝臓や筋肉に血中の余分なブドウ糖を取り込む働きがあります。
今、巷には食べ物、便利な生活があふれています。
つい何十年か前の日本の生活と比較すると比べものにならないくらいに様変わりしています。
このような日本のライフスタイルの変化を欧米化といったりしますが、欧米人と比べて元々膵臓からのインスリン分泌の低い人種であるわれわれ日本人は、容易に糖尿病を発症しやすい状況といえます。
つまり、糖尿病の原因は遺伝と高カロリー、高脂肪食、運動不足などの生活習慣により引き起こされるインスリンの作用不足です。
初期には、自覚症状がほとんどありませんが、血糖値が高いまま放置すると、徐々に全身の血管や神経が傷害され、いろいろな合併症を起こしてきます。
こういった意味では、糖尿病は病気ではなく、一種の前病状態といえます。
サッカーでいえばイエローカードをもらったようなものです。
気を付けてプレーすれば、通常どおりにプレーできます。
しかし、もう一枚もらったら、レッドカードになって退場です。
つまり本当の病気である心筋梗塞、脳卒中、腎不全になってしまいます。
しかし、ここで奮起して健康的な生活習慣を心がければ、大丈夫。何の問題もない。
つまり、一病息災の精神で、健康的な生活を送りなさいという神様からのメッセージだとも考えられます。
本当の病気でないが故に、何の症状もなく、自分の血糖コントロールが現在どういう状況なのかがわからない。
しかし、将来の健康被害を避けるためには、なるべく早い時期に正しい予防的対処をすることが重要です。 医師による管理指導が必要です。
ただ薬をもらって治るという病気では決してありません。
専門的医療機関の助言をもとに現在の生活様式を改め、自己管理していくことが大切になります。
もし、糖尿病あるいは糖尿行予備軍・境界型・耐糖能障害などといわれたら、自覚症状の有無に関わらず早期に受診することが肝要です。
そのとき、お手伝いできるのが、糖尿病専門のクリニックです。
その場で、すぐに血糖、HbA1cを測定して、すぐに薬や食事指導といった治療に反映できます。
糖尿病の治療の目標は、合併症を起こさず、健常な人と変わらない生活を送れること。
そのためには、できうる限り血糖値を健常人と同じ値まで近づけることが必要です。
また、生活習慣病に関連した高血圧、脂質異常症は、糖尿病と同じように心血管系の合併症を引き起こしてきます。
当院では、皆さんと一緒に血糖のコントロール、血圧の管理、脂質のコントロールを行っていきたいと考えています。
糖尿病の診療方針
糖尿病治療の目標は、糖尿病を有していながらも、血糖を良好に保ち、糖尿病の合併症を予防して、健康な人と同じような寿命と生活の質を保つことです。 そのためには定期的に外来受診をしていただき、専門医が責任を持って治療に当たることが必要です。
一病息災という言葉があります。
持病が一つくらいある方が、無病の人よりも健康に注意し、かえって長生きであるということ(広辞苑)という意味です。
1人でも多くの近隣地域の糖尿病患者さんが、この一病息災を実行できるように専門コメディカルによる集約的サポートを行っていくつもりです。 また継続して外来に通っていただけるよう、暖かい雰囲気作り、待ち時間の短縮、わかりやすい説明、糖尿病教室の開催などの患者サービスも充実していきたいと考えています。